今回騎乗させてもらった馬の名前。

稲妻は、その名を内に秘め、それでも雄々しく
ある時は紳士的に、私を受け入れてくれた。
久々の緊張感がほぐれると、彼もそれを感じたらしく
私達の呼吸はきちんと重なった。
軽早足の１、２、１、２が苦痛ではない。
体が覚えてくれている。
集中はしているものの、こんなに気が楽で嬉しいと
思いながら乗っているなんて、凄い。
私の、馬を恋しがる想いが伝わってしまうのだろう。
久々の安心感を感じながら、稲妻に身をまかせた。

アメニティの意味は“心地よい”
そのままの彼は、私の指示にも敏感に反応してくれ
私は勘違いをした。
外場で、私は初めて駆け足が出来た。
走る馬に乗る事が夢だったので、有頂天になった。
そして、落馬した。
お尻を打ったけど、怪我は無い。
私はすぐに立ち上がり、もう１度アメニティにまたがった。
驚いて心臓がドキドキしてる。
でも、怖いとは思わなかった。
これできっともう少し上手くなれると思っていた。

稲妻とアメニティ。
緑の生い茂る地を背景に、どんな私をも受け止めてくれる
その深い瞳を持った彼らの姿は、本当に美しかった。

今ね、とっても月が綺麗だよ。
満月は明日なんだけど、完全じゃない形も
魅力的だよ。
右下にちょこんと火星を道連れて、
深くやさしく輝きながら、一晩中おしゃべりでも
しているみたい。
仲良しな、月と火星。
あの月の様に・・・

ーー１人旅ーーー
夏の仕事が一段落したら、必ず行こうと思っていた。
目的地は決まっていた。
イルカに、どうしても逢いたかった。
そして、、、実現・・・

帰ってきた今も、あの夢のような世界が忘れられない。
イルカの「キュィー、キュィー♪」と言う鳴き声と、好奇心旺盛な瞳。
大小さまざまなイルカ達が、不安定に泳ぐ私の様子を見に来て、
ある時は、からかう様に横をすり抜け、あっという間に遠くへ行ってしまったり、子供のイルカを連れて観察しに来たり、遊ぼうよとでも言うように私の周りをクルクルまわったり。
もちろん全て、御蔵島に住む野生のイルカ達だ。
私はもう夢中で、自分がシュノーケリングの基礎も無いのに
何度も何度も海に滑り込んだ。

同じボートには、私のほかに７人と船頭さん。
みんなドルフィンスイム経験のある人ばかりで
その、人魚の様にイルカ達と戯れる姿を、
しばし見惚れたりもしていた。
夢に描いていた世界が、すぐ目の前に開かれている・・・
それは、勇気を出して１人旅を決行した、
小さな１歩を踏み出す事で実現する、願った事が叶った瞬間だった。

私にとって忘れかけていた、もしくは遠ざけてしまいがちな
“ＡＣＴＩＯＮ”

でも、それを気負ったのは最初の１歩だけで、
あとは自然と導かれたような気がする。
旅の途中では、知らない筈の人達が、不慣れな私に声をかけ、
教え、励ましてくれた。
東京の友は、無事かメールを頻繁にくれ、私を安心させてくれた。
そしてなにより、イルカ達が自然とそこに居てくれたので
私は煩悩から解放され、ひととき無心になる事が出来た・・・。


時よ、止まってとは思わなくなった。
また逢いに行くにはどうすればいいか、
おのずと来年の目標が立ち上がっていた。

１９７０年代後半と言えば、私は人生でもっとも多感な、
小学校高学年から中学生の時期だった。
時代はアイドル全盛期。例外無く私も、毎日のように歌番組を見ては
誰よりも早く歌詞や振りを覚え、掃除をサボって歌いっこする様な
子供だった。
歌って踊るという、今の私の形態に強い影響を及ぼしたのは
やっぱりピンクレディのお二人だったと思うが、
当時癒し系の笑顔が大好きで、下敷きやポスターなどを集めていたのは
ーー→石野真子さんだった。

その真子さんと今、一緒に仕事をしている。
（ある企業が主催のディナーパーティなので、一般の方は
見る事が出来ません。残念。）
正直驚いてる。
そう言えば同じ事務所になったのだけど、そう接点は無いものと思っていた。でもなぜ私に依頼が？
浮きたい気持ちを押さえて、真子さんの為に良い仕事をしたい、と思う。

小柄で気さくで、いつもニコニコの真子さん。
新しくリリースするＣＤを聞いて、そのアコギーなメロディと
穏やかな歌声に癒されながら、間も無く来る本番の日を
心待ちにしている私であった。