昨日、ＴＳの舞台を観に行った。
ＫＩＤに在籍していた頃から関わりのある、謝先生の作品だ。
私も以前、謝カンパニーに３作品ほど出演させてもらった事がある。
いつも、死ぬほど踊らされ、死ぬほど歌わされ、死ぬほど早替えさせられるので、やっている間は「コンニャロ〜〜〜(T_T)」と思う事もしばしばだが、
謝先生はとても魅力的な人なので、心のどこかで気がつくと
ふと気に留めている自分が居る。
あのエネルギーや楽天さは誰もが知る所、凄いと思うし、
自分には無さ過ぎて、うらやましい半分逃げ腰になるくらいだが、
それより、先生の中にある...どうしようもない寂しさ...みたいな物に
気付く瞬間を感じてしまうのだ。
良く泣くし、怒るし、それなりに発散はしているだろうに、
そんな事では埋め切れない何かが、大きな口で豪快に笑う先生の奥に、
潜んでいる。
『砂の戦士たち』は“仲間”がテーマの作品だ。
と言うか、先生の手がける作品に“仲間”が無かった事はないほど。
言いたい事は良く分かるし、私も良く“仲間”を口にする。
“仲間”は大切だし、本当に有難い。
では、なぜ分かりきっている“仲間”を連呼するのか。
・・・これは、作品の批評ではない。
私は、先生と自分に、ある共通点を見た気がするので
良い機会だから、自分の中を探ってみようと思ったのだ。
答えはこうだ。
パンフレットに、キャスト１人１人の、あなたにとって“仲間”とは？と言うコメントが載っている。
もちろん私も考えてみた。
「かけがえのないもの。同じ目的に向かって進む人達。
大切な存在。etc...」
綺麗事にも聞こえる言葉がいくつも出てくる。が、それは私の中で
真実でもあるはずだ。現に“仲間”がいなかったら、私は今頃存在していない。
そんな中に「・・・寂しさを紛らしてくれる人達」と言う言葉が浮かんだ。
謝先生に当てはめてみた。私にも、当てはめてみた。
パズルの最後の１ピースがはまった時の様な響きに、聞こえた。
もうこれ以上の詮索はしない。
これからの作品が、その後の先生をも語ってくれるのだろう。
先生の寂しさが埋まった時は、遠くから祝福してあげたい。
でもそれは、作品が世に出なくなると言う事でもあるのかも知れない。
寂しさとの代償に“仲間”を求め“仲間”を追求する事が、
創作者である「謝 珠栄」と言う人の、与えられた使命なのかも、しれない。
では私は・・・？
私は以前“仲間”と言う総称に、愛する人を取られた経験がある。
“仲間”と私を天秤にかけて“仲間”を、その人は取った。
・・・ナカマッテナニ？
そんな程度しか愛されていなかったと言えばそれまでだが、
私達が愛し合ったはずの月日は、“仲間”の方がいい！と
そんなに薄く壊れるものだったのだろうか。
シンジラレナイ・・・
得体の知れない総称に負けるよりは、
“仲間”で終わりにせずに“仲間の中の１人”が君より大切になった。と、言って欲しかった。
真実が知りたかった。
もしくは、最後の思いやりが欲しかった・・・。
今でもだから“仲間”と言う言葉には、実は吐き気さえする。
でも敢えて私の“仲間”に“仲間”と使うのは、
「寂しさを紛らしてくれる人達」も、れっきとした“仲間”で、
心から感謝しているからだ。
“仲間”なんていらない！と、思い込まずに済んだからだ。
でも、 “仲間”は“仲間”に過ぎない。
真を埋めて充実した私を見せる事が“仲間”に対する
最大限のお礼だと思っている。
いつか“仲間”に、そんな顔を見せたい。
|
